滋賀県で工場内の既設機械従動による水平シャッターを設置しました。
細長いピットに有る工場の機械は、ピットの中をピットに沿って往復運動し、そのピットに人が落ちて怪我をしない、さらに機械に轢かれないように、機械を挟んで水平シャッターが固定され、機械の動きと共に伸び縮みしながら左右に動き、切れ目なく蓋の役目を果たします。
今回はいつもの電動ではなく、ピットの機械に動きを委ね、極ゆっくりと押したり引いたりされるだけです。簡単ですが、最初からあったピット長さは、シャッターの巻取りスペースなど考慮されているわけもなく、限られた寸法で巻取りスペースを確保するのが極めて難しかったです。
さらにピットの左右で巻取り方式を変えました。片方は高さ(深さ)が大きく巻き取れましたが、反対側は全く余裕がありません。
今までの仕事の引き出しを探りながら、なんとか最小の巻取り方法を見出しました。外から見ることは出来ないので、ピットに潜り込まないと、2つの方法が用いられていることはわからないでしょう。
モーターを用いない事は初めてでしたが、その事は根本的にシャッターの巻取りに影響します。スラットを自ら巻き取っていくのと、押されながら巻かれていくのとでは、仕組みを変える必要があります。押されて巻かれる。巻き取って動かす。見た目は同じですが、これを同じであると考えてしまったらうまく動きません。今回はこれ以上ピットが長ければ支障が出るほどギリギリの寸法でしたが、偶然収まったに過ぎません。5メートルのストロークを僅か340mmの巻取りスペースで収めました。これで10mm程のクリアランスです。正確に巻取り寸法を出すために、慎重に図面を描いてシミュレーションしました。計算では出せません。